この方法については こちらの記事に詳しくまとめてあります。
ずっと自分のコピーを眺めていると、あまりにも見慣れ過ぎてしまって、何が良いのか悪いのかわからなくなることがあります。
まさにゲシュタルト崩壊です。そんな時に使っています。
Wordのページを新しく開いて、書きかけのコピーを並べていきます。
書き終えたら「 文字列の方向 」を押して、ヨコ書きだったコピーを、全部まとめてタテ書きに変換します。
すると、毎日見慣れていたはずのコピーたちが、まるで初めて出会うコピーのように新鮮に感じられます。 コピーの命とも言える、客観性 を手に入れることができます。
この方法は、建築デザインの世界にもあります。
建築の平面図は、北の方角を上にして描くのが基本です。しかし、ずっと同じ方向から眺めていると客観的に見られなくなることもあります。そんな時は図面を出力して、クルッと回して見ると新鮮です。 東西南北あらゆる方向からチェックできます。
コピーの世界にも、似たような原理が働いている気がします。
おまけに、応募する前にこの方法を試しておくと、来年のSKATに載った時も、自分のイメージ通りの形にできるのが嬉しいです。
宣伝会議賞の応募時は「 ヨコ書き 」ですが、SKATに載る時は「 タテ書き 」になるので、大きく印象が変わりますから。
まずは、宣伝会議賞の過去の受賞作の中で、心から尊敬できる作品や、SKATで見て衝撃を受けた作品などを、30本くらい集めるところから始めます。
それらのコピーを、一つ一つ心をこめて、ノートに書き写していきます。
写し終えたら、続けるように自分のコピーを並べて書きます。
そして次の日の朝に、スッキリした頭で、今度は、前の日に書いた尊敬するコピーを完全集中しながら一つ一つ読んでいきます。
最後に、その余韻を頭の中にたっぷり残したまま、自分のコピーに目を移します。
すると、尊敬するコピーたちの持っている「 作法 」みたいなものが、こちらの脳にも満ちてきて、ほんの少しだけ、書くのを手伝ってもらえるような気がします。
名コピーの力を借りて、自分のコピーを修正していくようなイメージです。
この方法は、建築デザインの世界にもあります。
「 名建築の図面の模写 」 などがそうです。 世界的に有名な建築作品と同じくらい、すばらしい図面が描けるようになるために、じっくりと眺めて模写をして、図面の作法を自分の「 手 」と「 目 」に覚え込ませるのが基本です。
コピーの世界にも、似たような原理が働いている気がします。
ちなみに、名コピーの力を借りて自分のコピーを修正できる感覚は、何時間も持続するものではないと思います。
この時間の長さは、「 どれだけ頭がスッキリしているか 」「 尊敬するコピーにどれだけ集中できたか 」によっても、長くなったり短くなったりするようです。
たとえば僕の場合は、名コピーたちの力を借りていられるのはせいぜい20分くらいで、それを過ぎると、またすぐ、いつもの自分に戻ってしまいます。
以上、建築デザインの世界から導いた裏ワザでした。