住み替えを訴える方法には、二つの方向性があるように感じました。
一つは、いま住んでいる環境の短所を挙げることで住み替えを促す方法。
もう一つは、これから住む新しい環境の長所を語ることで住み替えを促す方法です。
前者の視点は書き易いと思います。
たとえばこんなふうに。
元カレの残像と暮らしていませんか?
模様替えの案はまだ残っていますか?
新しい恋人を招待できる部屋ですか?
休日に疲れのたまる部屋になっていませんか?
いつからその部屋着ですか?
スマホの向こうの相手はあなたの部屋をどんなふうに想像しているでしょう?
不健康な部屋で健康に暮らせるものでしょうか?
コンビニが近いという理由だけで住み続けていませんか?
などなど。
このように、いま住んでいる環境の短所を挙げる視点は書き易いので楽なのですが、しかしどれも うしろ向きなコピー になってしまいます。
今回の課題で求められているのは、これとは逆の方向ではないかと感じました。
今まで歩んできた人生は丸ごと肯定しておいて、これから先の、住み替えた未来に期待させるような まえ向きなコピー を書かなくてはならないと思いました。
たとえば、こんな視点はどうでしょう。
建物だらけで庭をつくる余裕のない、都心の小さな敷地。
思いきって、屋根を丸ごと「 大きな窓 」にしてみたら、
夜空を見上げる度に、はるか遠くの宇宙まで、ぜんぶ自分の庭になりました。
というような。
住み替えることで、自分だけの宇宙が手に入る。
それくらいの大きなスケールを意識しながら、50本を応募してみました。