関心があります。
今、話題になっている『 3つのポスター 』のコピーについて。
どんなひとが書いたのでしょう?
とても興味深いので、さっそく党本部に連絡をして、広報担当の方にズバリ尋ねてみることにしました。
「 コピーの勉強をしている者なのですが‥‥ 」という体裁で。
広報の方からは次のような返答をもらいました。
「 3つのポスターについては、先日27日の記者会見で発表させていただいた情報が全てです。ホームページに、その記事を掲載していますので参照ください。ポスターやコピー制作等の詳細情報については、今回に限らず一般に公表はしていません。」
なるほど。
コピーライターの個人名までは無理としても、せめて制作に関わった会社や部署くらいは教えてもらえるだろうと期待していたのですが、ちょっと、残念な感じでした。
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今、話題になっている3大ポスターの中でも特に、
『 民主党は嫌いだけど、民主主義は守りたい。』
というコピーに関しては、個人的にこんな感想を持っています。
党外に向けて発したコピーとしては、
もう少し党の人気の高かった時期に発表した方が効果的だったように思います。
党内に向けて発したコピーとしては、
選挙活動の裏方仕事を支えている全国の支援者の心に共感していないと思います。
「 党外に向けて発したコピー 」という意味では、次の点に関心があります。
「 嫌いだけど 」というようなネガティブな表現を含むタイプのコピーは、一見うしろ向きに飛んでいるように見える矢が、グルッとまわってきて、最後には思いきり前向きに刺さって効果が出る、というのが基本形だろうと思うのですが、しかし今回のように、人気の傾いている党が(失礼)うしろ向きに矢を飛ばした場合は、それを前向きに変えるだけの反力が得られないため、最後までうしろ向きのままになってしまいそうな予感がします。
せめて、もう少し党の人気が熱かった時期に矢を飛ばしていれば、まったく異なる反応が返ってきたのではないでしょうか。
例えばこのコピーを、次のように言い換えてみたらどう見えるでしょう。
「 自民党は嫌いだけど、民主主義は守りたい。」
もし今、こう言われたら、もしかしたら「 いやいや、別に自民党を嫌いとまでは言っちゃいないよ。確かにまだ頼りない場面もあるけれど、これから頑張ってみなよ。」と、前向きな反応を返してもらえるかもしれません。
そうすると極端な話し、このコピーは民主党からではなく、まだ人気を保っている自民党から発せられた方が効果的なのではないかと、そんなふうに感じたりもします。
この構図に近い例としては、数年前に話題になった、あるアイドルの発したセリフ、
「 わたしのことは嫌いでも、AKBのことは嫌いにならないでください。」
という言葉も思い出されます。
あのセリフも、アイドルとして「 人気のある時期 」に言い放ったからこそ、効果があったわけです。これがもし、あまり注目されていないアイドルだったとしたら、ただ単に「 イタイやつ 」と言われて終わるだけでしょう。
今回のポスターの件も、それと似たような構図に見えてしまうのです。
「 党内に向けて発したコピー 」という意味では、党の選挙活動を縁の下で支えてくれている、全国の何十万、何百万もの支援者達の繊細な気持ちを傷つけてしまうおそれがあるように感じられました。
選挙に向けたポスターのコピーというのは、党のために働く全国の支援者達にとって、団結力の源となる「 合言葉 」や「 心の支え 」になったりする目的もあります。
それに対して、今回のポスターにある「 嫌いだけど‥ 」という響きは、支援者達の胸の奥にある「 党への誠実な思い 」に対して、あまりにも過酷です。
裏方で地道に活動している名もなき数百万の人々は、みな心が強いとは限らないでしょう。誰かから「 嫌いだ 」というような強い言葉を見せられただけで、不安に感じ、凹んでしまう人も多いはずです。
そのように、選挙活動を実質的に支えている一人一人の支援者の「 心情 」に寄り添えない言葉を放ってしまうということは、党内結束を固めるためのコピーの在り方として、非生産的な気がしてしまいます。
誰が得をするコピーなのでしょう、という素朴な思いが、どうしても残ります。
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今、コピーライターの登竜門をくぐってみようとチャレンジしている立場の僕が、野党とはいえ国を動かす影響力のある政党から発せられたコピーについてアレコレ書くというのも何ですが。
ただ僕にとっては、このブログを使って、自分なりにいろいろ手さぐりで分析してみること自体がコピーの勉強と考えていますので、どうかご容赦ください。
ちなみに。
このチャレンジブログのお約束として、
「 特定の個人・企業などの誹謗中傷にあたる内容は書かぬこと 」
という一文があったりするのですが‥‥
まさか、この文章は大丈夫でしょうね(笑)