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第53回宣伝会議賞 チャレンジブログ(グランプリ受賞者輩出)

日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」に挑戦する応募者10人のブログ。同企画初となる、チャレンジブロガーからのグランプリ受賞者(今野さん)を輩出しました。

あしたのために、実験中。


スマホもテレビもパソコンもない部屋の中に。
何週間も閉じこもって共同生活していたら、人はどうなってしまうでしょう。


f:id:yahyahwarekosoha:20160219001147j:plain たとえばココで。


きょう現在、この写真の実験施設の中で、8人の一般男性が暮らしています。

筑波宇宙センターで行われているこの実験の目的は、宇宙飛行士にかかるストレスを調べるために、宇宙ステーションに近い閉鎖的な空間に人を住まわせて、心身への影響データを収集することにあります。
もう、人体実験みたいなレベルです(笑)

被験者となる8名は、次のような応募条件で一般公募(だれでもOK)されました。

場所  :  閉鎖環境適応訓練施設( 宇宙ステーションを模した空間! )
条件  :  20~55歳の健康な一般男性( 専門知識は何も必要なし! )
日程  :  実験施設に13泊( スマホやパソコン等の通信機器は一切持込み不可! )
報酬  :  協力費として38万円支給( リタイヤせずに13泊できた人のみ! )
内容  :  ストレス負荷のかかる共同生活をしながら心身への影響データを収集
      ( 外出禁止!  外部情報は遮断!  飲食は宇宙食のみ!  禁酒禁煙! )



f:id:yahyahwarekosoha:20160219001336j:plain

これが、
その驚きの実験施設の模型です!
共同トイレ、玄関なし!


青い服のヒトが5人いますが、実際の部屋は計8名で暮らしているので、この模型よりさらに人口密度が高かったりします。
右側は実験エリアで、作業机 や 健康器具、保管庫などがあり、左側は居住エリアで、2段ベッドやキッチン、冷蔵庫、テーブル、トイレ、シャワーなどがあります。
さらに奥の方には、実験途中で精神的に耐えきれずパニックになった人のために、脱出用の非常扉もついていたりして。
この扉をあけて外に出てしまったら、その時点でクビってわけですね(笑)

日々実験ですから、のんびり暮らしていられるわけじゃありません。
毎日、決められたメニューにしたがって、細かい作業や、難しいパズルや、グループ課題などをクリアしながら、いっぱい「 ストレス 」をかけられます。
それが研究目的なので、仕方ないですね(笑)

この施設の詳細を書けば書くほど、誰にも共感してもらえなくなりそうですが。
僕は、どうしてもこの実験に参加してみたくてたまりませんでした!

動機は単純です。
閉鎖生活を終えて二週間ぶりに出てきた時に、きっと、外の世界が今までと全く違って見えるだろうと思ったからです!
あたり前だった景色が、あたり前に見えなくなるとしたら。
これほど刺激的で、これほどワクワクする瞬間はありません ♪

もしかしたら‥‥

あたり前のように、いつでもどこでも会話できるスマホの存在が新鮮に感じられるかもしれないし、太陽のまぶしさが神秘的に見えるかもしれないし、部屋に窓が必要な理由に気づくかもしれないし、自分でも意外な人に会いたくなるかもしれないし、お米がいかに体に合うか実感できるかもしれないし、ジグソーパズルなんてもう二度と見たくなくなるかもしれないし、駅のホームを吹抜ける風に春を予感できるかもしれないし、東京の空気でも深呼吸すればそれなりに心地いいとわかるかもしれないし、「 温泉の素  」を入れたお風呂はやっぱり至福かもしれないし、生ビールをテレビのCMより美味しそうに飲めるかもしれないし ♪

それこそ、ホントにもう、ありとあらゆる日常風景が、パッと違って見えるのではないかと思ったのです!

そんな熱い思いを胸に、実験に参加できる状況を整えようと必死に動きました。
でも、外部との通信機器を一切持ち込めない環境に二週間もいられる自由は得られず、残念ながら予備登録までで、その先の本登録には進めませんでした(涙)

 ガクッ . . . . .  .○П_

実は、そのショックを感じながら書いたのが、年末に更新した最後のブログでした。
そのときの涙目ブログはこちら
『 イブの夜に宇宙ステーションから間違い電話がかかってきた 』というロマンチックなニュースを書くことで、同じ宇宙ステーションに暮らす宇宙飛行士のための実験に参加できなかった悲しみを打ち消して、自分の中で、無かったことにしていました。
人が、どんな気持ちでその文章を書いているか、それは誰にもわかりません。
悲しい時だからこそ、楽しいコトバが浮かんでくることもありますし。


いろいろ頑張ってみた結果、僕は今回、断念せざるを得なかったわけですが‥‥

もう一方の、実験に参加することのできた 8名の皆さん にとっては、実は今日は、 二週間におよぶ閉鎖共同生活の《  最終日  》だったりもします !


バス2台分ほどの小さなスペースの中で、ストレス生活に最後まで耐え抜いた被験者の皆さんは、もしかしたら、今ごろ‥‥

僕のほしかった光景もすべて、手に入れているのかもしれません。