第53回宣伝会議賞 チャレンジブログ(グランプリ受賞者輩出)

日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」に挑戦する応募者10人のブログ。同企画初となる、チャレンジブロガーからのグランプリ受賞者(今野さん)を輩出しました。

あしたのために、ライブ配信にかじりつく。


数時間前に、東京オリンピックエンブレム公募の審査風景がライブ公開されました。
その映像のひとコマがこちらです。

 

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昨日までの時点で、応募総数14,599作品の中から311作品までに絞られました。
そしていよいよ今日から、年明けの最終審査に残る100~200点の選定が始まります。
審査方法はシンプルです。
ここに映る12名の審査員の視線の先には高精細モニターが設置されていて、その画面に1作品あたり1分間ずつ表示されていきます。各審査員はボタンを持ち、良いと思う案のときに押して投票し、票の多い順に生き残る、という仕組みです。

神さまどうか、今この審査員たちの目の前に、僕の応募作が映っていますように !

そんなふうに祈りながら、約1時間ほど、定点ライブにかじりつきました。

この映像の中で、誰かの作品が特定されてしまうと困りますから、応募作は一切映りませんし、会場内の音声なども審査が始まると同時にカットされて、無音の定点映像が流れることになります。

応募作も映らず、音声もなく、審査員の表情しか見えない映像なのですが。
しかし、それが、とっても面白く感じられました !

なぜなら‥‥

1分ごとに作品が切り替わる度に、審査員の何人かが水を飲んでみたり、肩に手をやったり、キュッと両目を閉じたりするので、その仕草から審査の流れがわかります。
エンブレム図を見ている時間と、バナーやTシャツなどのデザイン展開図を見ている時間の割合なども知ることができるので、とても興味深いです。
さらに、投票ボタンを両手で隠すように持っていても、顔の向きや視線の動きによって「 あっ、今押した! 」というタイミングも伝わってきます。じっと観察しているうちに、何作品に一度の割合でボタンを押しているのかも読めてきます。
ライブ映像の画質も 720P あるのでよく見えます(笑)

ひとって、本当に真剣になるとこんな表情をするんだ、とか、あるいは、必死にアクビを噛み殺しているのもバレバレだったりするので、今はきっと退屈な1分間なのだろうなとか、そんな感情のニュアンスまで伝わってきます。
また、ユニークなデザインコンセプトが読み上げられた瞬間などは、険しい表情の審査員の顔にも自然に笑みが浮かんでくるので、すぐにわかります。
たぶん、つい笑ってしまうようなインパクト勝負のコンセプトを書いてくる応募者もいるのでしょう。


無音で、しかも作品も見えないからこそ、審査員の細かい仕草からすべてを読み取ろうと必死にかじりつきます。

その1時間が、意外なほど面白くて、かつ、新鮮でした。

言葉はなくても、チクチクと心に刺さるものがありました。