いうまでもなく、この時期は一次審査の結果に注目が集まるわけですが。
僕には、もう一つ注目したものがあります。
それは、『 宣伝会議 』3月号の表紙です ♪
予約してあった大型書店のカウンターにて。
まるで大学受験の合格発表に来ているような緊張感のなか、ついに手渡された表紙を見た瞬間‥‥
ひと目ぼれ、してしまいました !
本当は、すぐにでも一次審査結果のページを開きたい気分のはずなのに、まじまじと、表紙のビジュアルに見入ってしまいました。
デジタルな世界観と、アナログな世界観が、ひとつの画面上に重なり合って透けて見える構成は秀逸です !
しかもコレ、数字の部分を拡大してよく眺めてみると、一枚一枚、ぜんぶ1ドル紙幣の上に描かれているのがわかります !
まるで、造幣局の工場で紙幣にカットされる直前の、巨大なシートのようです。
ずらっと並んでいる紙幣の上から、数字の部分だけをマスキングして残すように、黒くペイントしてあります。
拡大してみると、どんな技法で描かれているのか想像できます。
この黒の、墨のような、重油のような、ふれたら指にまとわりつきそうなアナログな質感が、たまりません。
そこに浮かび上がる数字の方は、まるで、計算機の液晶画面を指でギューッと押してパッと離した瞬間みたいな、無機質なデジタル感を放っています。
画面全体のコントラストの抑え具合にも、グッときました ♪
ただ単純に、表紙を見た時に目立つことだけを考えるなら、もっとコントラストを上げて明暗クッキリと印刷することもできたはずですが、そうはなっていません。
それは、このビジュアルの《 みずみずしさ 》をそのまま伝えるために、渇いた絵に見えないよう配慮した結果だったのかもしれません。
そんな抑えの効いているところにも、思わず、引きずり込まれてしまいます。
ウォーホルより硬質で、ジャスパージョーンズより濃厚。
ですよね !
このドローイングが、『 デジタル時代の新ブランド戦略 』という特集記事のために新しく制作されたものなのか、あるいは、特集記事に合う作品を探すうちに出会ったものなのか、そのプロセスにも興味があります。
いずれにしても、僕は、過去5年間の『 宣伝会議 』の表紙ビジュアルの中で、これが一番好きです。
本当は、こういう話題こそ、課題に出ていた『 Vingle 』のネットワークを活用して、仲間を見つけて語り合えると楽しいのかもしれませんね。
世の中のほとんどの人にとっては、とある雑誌の表紙の絵。
でも、同じ興味をもつ人にとっては、ずっと眺めていたい特別な絵。
この表紙にグッときた人同士で集まってワイワイやれたら、楽しそうです ♪
Vingleに応募したコピーが全滅したことは忘れて(笑)