第53回宣伝会議賞 チャレンジブログ(グランプリ受賞者輩出)

日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」に挑戦する応募者10人のブログ。同企画初となる、チャレンジブロガーからのグランプリ受賞者(今野さん)を輩出しました。

2月29日生まれのお祝いタイミングって難しい。

こんにちは。閏年ですね。

美味しいものが1日多く食べられる年。

大好きな人と1日多く会える年。

映画の悲しい結末に1日多く涙を流せる年。

みなさんにとって、なにかいいことが1日分多く訪れますように。

 

 

そんな私は実はいまカナダにいます。

ですので2月28日を生きています。

あー、世界って広いんですねえ。

 

さてさてさて、今回のお題はこちら。

 

「一次審査の結果を見て思うこと。」

 

正直な話をしていきたいと思います!

 

単刀直入に言って、

 

完敗 です!

 

書いた数、通過した数もさることながら、

何より自分自身に完敗です。

 

宣伝会議賞の締め切り2ヶ月前。

諦めました。

コピーライターになることにも、

広告業界に就くことにも。

 

どうしてそんな気分になってしまったのかは、わかりません。

 

きっと、たぶん、

色んなことから逃げ出したくなったんだと。

書くのもやめました。

街中の広告に目を向けることもやめました。

 

なんとなく嫌気が差したんだと思います。

誰が見るかもわからない、

もしかしたら誰にも見られることなく

消えて行くだろうこの広告の世界に。

 

やめちゃおう、考えるのもう嫌だ。

 

 

でもそんな中、ペンを握らなくなった私に

この企画担当者様から一斉送信でメールが届きました。

そのメールを開く前に、ふと、思い出しました。

 

「そうだ、私はチャレンジブロガーに選ばれたんだ。

コピーライターになりたいから、少しでも近づくために、

少しでもこの熱意を伝えるために、この企画に応募したんだ。

 

逃げてどうする。

闘うべき相手は全国のコピーライターでも

審査員席にどっかりと座る大御所コピーライターでも

何が正解なのか分からせてくれない企業課題でもない!

 

そうか、敵は、自分だ!」

 

そしてメールを開いてさらに心を打たれました。

この企画に携わってる方は皆さん目にしたと思います。

あの、優しくも厳しい、励ましメッセージです。

 

時間がないなんて言い訳してたまるか!

 

そんなわけで再び課題と向かい合ったのでした。

ギリギリまで粘った甲斐があったのか、一作品、

一次審査通過することができました!

 

嬉しさ半分。悔しさ半分です。

そして反省しました。一度逃げた自分を恥じました。

だけど、帰ってきた自分を褒めたいです。

 

来年は一度も立ち止まることなく

課題と自分に立ち向かいたいと思います!!!

 

 

キャッチコピーが1日多く書ける幸運な年です。

閏年。潤おえ、私の一年。

 

あしたのために、アゲハチョウになる。


宣伝会議賞の最新情報をめぐるアレコレについては、少なくとも、自分の身のまわりは静か過ぎるほど無風です。

どうも、取り残された感いっぱいで。
ポツーン って言うんですかね、こういうの。

むこうから風は吹いて来そうもないので、もう、アゲハチョウ にでもなったつもりで両手を パタパタ させて、小さな風を自分で起こすしかなさそうです(笑)


月日の流れとともに、少しずつ書類の山に埋もれかかっていた『 宣伝会議 』3月号を救出して、あらためてパラパラめくっていたりしているうちに‥‥

ふと、こんなことを聞いてみたくなりました。


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これ、実際のところ、どうなんでしょう?
Aさん派ですか、それとも、Bさん派ですか。


たくさんの課題で通過しているという意味では、柔軟な発想力と、幅広い応用力のあるAさんの方がコピーの実力は上な気がする。
( そうかも ! )

ひとつの課題に複数本通過しているという意味では、どれが選ばれても不思議はないレベルのコピーをたくさん書けるBさんの方がスゴイ気もする。
( そうかも ! )

通過本数の合計がどちらも10本という意味では、実力に差はないと言える気もする。
( そうかも ! )


なんだかもう、考えれば考えるほど「 ハサミとカッター便利なのはどっち? 」みたいな堂々めぐりに思えてきて、どれが正しいのかわからなくなります。

でも、この答えがハッキリしないことには、次の 第54回宣伝会議賞 の目標すら決められないような気がして。

たとえばの話ですが。
「 30課題で一次通過するのが目標です! 」というのと、「 15課題で複数本通過するのが目標です! 」というのでは、どちらが高い目標になるのでしょう?
もし自分の頭の中に、コピーの命とも言える客観性というものがあったとしたら、こんな問いを投げられても、ちゃんと返せるような気もします。


いやいや、次の 第54回の目標 だなんて、今回の最終審査結果もまだ出ていないのに、気が早すぎるよっ!

そう言われてしまえば、それまでなのですが‥‥。


宣伝会議賞って、
なにを考えるにしても、いちいち奥が深くて、ホントに困っちゃいますね。
(  パタパタパタ‥‥  )


類似点

 今野です。僕は普段芸人として活動していまして、今回はその経験で気づいたキャッチコピーと芸人の仕事の類似点について書こうと思います。

 

 キャッチコピーとお笑いの仕事で一番形式が似ているのは大喜利だと思います。大喜利は共通のお題が出された後、演者固有の答えを出して笑わせようとします。これは宣伝会議賞のように共通の課題が出された後、参加者がコピーを生む作業と類似しています。

 

 ただ最近思うのは大喜利という形式よりも、仕事の中身で似ているなと思うことがあります。

 

 それは「お客さんの気持ちを代弁する」ということです。

 

 コピーライターの場合はクライアントと消費者の2種類の「お客さん」がいると思います。

読んで良いな~と思うキャッチコピーは「確かにそうだ/そう思っていた」という深い納得のような感慨があります(そういうタイプではない優れたコピーもたくさんあると思いますけど)。それはそのコピーライターさんが企業の言葉にならない想いを見つけ出して代弁した結果、消費者と価値観の共有がなされるという事態だと思うのです。

 

 対して芸人の場合、「お客さん」とは目の前のお客さんのみです(テレビだと視聴者やスポンサーやテレビ関係者や番組観覧者など複雑怪奇極まりますが、僕はほとんどテレビ出た経験がないので話をライブに限定させて頂きます)。トークでお客さんが潜在的に思っていることを先回りしてバスっと言い当てると、大きな笑いになります。ネタでも日常生活で見たことある腹の立つキャラクターのツッコミを入れたり、誰もが経験したことあるような気まずいシチュエーションを描き出すと共感の笑いに繋がります。

 

 

つまりどちらの仕事も、「普段言葉にすることはない想いを形にする」、という職能があると思うのです。

 

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あしたのために、ならない。


2月14日にちなんで。
一度味わってしまったら、もう忘れることのできない、甘~い お話をひとつ。

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コレまるで、『  薬物撲滅キャンペーン  』 の広告みたいです !

でもホントは、薬物とは全く関係ないフツーの雑誌のページだったりします。
ここに書かれているのは、ヒトの「 味覚 」の研究で知られるリンダ・バートシャック博士が、薬物依存のメカニズムを表現した言葉です。
これを読んだとき、いま世間で話題になっている《 薬物 》と、同じく今日話題になっている《 甘いチョコ 》の、意外すぎる接点が見えた気がして恐ろしくなりました。

【   もう一生、絶対に、甘いものを口にしてはならない   】

ある日、そんなふうに言われたらどうしましょう。
僕ならきっと、半年も耐えられません。
ケーキも、アイスも、プリンも、いろんなスイーツも、もう死ぬまで食べられないなんて、とてもガマンできません !

もし、無理矢理ガマンさせられたりしたら、きっと甘いものが恋しすぎて、忘れられなくて、毎晩夢にみて、そのうち頭がヘンになります。

甘味を求める欲が、脳と体の間で行ったり来たり、ずっと連鎖してしまいそうです。
そんなサイクルに落ちてしまったら、そう簡単には断ち切れそうにありません。

実はこの《  恋しすぎる感じ 》や《  頭が変になりそうな感じ 》こそが、自分でも気づかないうちに、薬物依存のメカニズムに乗っ取られたりしてしまうわけです。
これほど怖い話はありません。

薬物は、ヒトの弱味ではなく、甘味につけこむ。

「 甘い誘惑 」とか「 甘い罠 」なんて言葉もありますが、それらは、ヒトの弱点を鋭く突いた表現と言えるのかもしれません。


世の中には、ドラッグ撲滅を訴える広告がいろいろあります。
ストレートに「 薬物はダメだよ!」と叫んでいるものも多いわけですが、僕はまた、別の角度の広告もアリな気がします。

たとえば、このビジュアルにあるように、

《  甘いチョコを、おいしく味わう回路が、そのまま薬物の回路にすり替わる恐怖  》

そんな不気味さを、そっとささやかれたりしたら、心に響くポスターができそうな気がします。